GEIDAI ANIMATION 07 YELLで作品を上映する学生を、1日2名ずつ紹介していきます!
27人目は「物語たちへ」を制作した山中澪さんです。
Q 自己紹介をお願いします。
山中澪と申します。
昨年は一年次作品として「えんえん」を作り、今回は「物語たちへ」を作りました。
作品ともども、よろしくお願いいたします。
Twitter:
@j030i(アニメーションぽい話はあまりしないです)
(去年は女物の着物を着て監督写真を撮ったから、今年は男物で撮ろう〜と撮ったときの1枚)
Q 作品を作ったきっかけは何ですか?
きっかけというか、こういう作品(おもに画面のことで)になった最後の後押しについて書かせてください。
ちょっと長いから興味無い人はとばしてね。
企画を考えるときはいつも「いまの自分には思いつかないようなすげーものが作りて〜」と思います。漠然としていて困ります。
そのとき自分の中で特にアツい「すげーもの」は演劇でした。昔から好きではあったのですが、横浜にきてから観劇の頻度があがり(言うほど多くはないのでおこがましいですが…)、すげーものをいっぱい観てしまいました。舞台の上ってなんにでもなれるしなんでもできちゃうんですよ…アニメーションはなんでもできるっていうけど、それ以上じゃないの…やばい…どうすれば勝てるんだ…無理…。演劇っぽいことをしよう、と思うと「それはアニメーションでやる必要はあるのか」ということになるし、でもそう言われるとそもそも私がアニメーションをやる必要ないしなあ…。
悶々としているうちに、10月が終わろうとしていました。
そして新千歳空港国際アニメーション映画祭へと旅立ちました。そんなことしてる場合じゃないじゃんアホだなあとは思ったけれど、行きたかったからしょうがない。初の北海道旅行です。おいしくて楽しくてサイコーでした。
そこで、アニメーションや色々を作っているひらのりょうさんと、少しだけお話ししたのです。猫の話と、兄弟の話と、演劇ってやばいという話をしました。演劇ってやばいという話をしました!ここで遅まきながら「なんだ、やっぱ演劇ってやばいんじゃん…!勝てなくて当然だし、とりあえずもうなんか真似になってもよいから好きな感じにやろう〜!!」と思うにいたったのです。もともと大好きな作家さんなのでお会いできて嬉しかったし、思い切るきっかけになったので、本当によかった…。ありがたいことです…🙏
というわけで、今回は演劇(舞台作品)を意識した画面にしているつもりです。そうは見えんかも知れんけども。宣言すると恥ずかしいな。お楽しみに。
(北海道での思い出の1ページ)
Q 手法と制作プロセスを教えてください。
脚本→絵コンテや仮録音でだいたいの方向性を決める→声録音→録音に合わせて作画
(音楽も方向性がきまった段階で作りはじめてもらう)
としたかったのですが、前の回答のようなこともあり、けっきょく以下のようになりました。
脚本→仮録音→仮録音に合わせて作画→声録音→音楽制作
私は自分で思っていた以上に想像を伝えるのが苦手だったので、最終の絵を見てから声や音楽をつけてもらったのは、結果としてよかったなあと思います。もっと伝えるのうまくなりたい。
作画はすべてPhotoshopで行っています。学校のパソコンに入っているCS6です。
外の場面の背景は、ビデオカメラで撮った実写の風景をPhotoshop上でなぞって描きました。
(外の場面じゃない背景?は写真やものを見ながらがんばって描きました)
Q 影響を受けた作品などはありますか?
たくさんあります。
今回の作品には関係ないかも知れないですが、とにかく「やばい!好き!悔しい!」みたいな特にぐっときたもの2015を挙げます。(たくさん同じものが好きだよという方、おともだちになってください)
地点/ロロ/アムリタ/スピッツ/ドン・ハーツフェルト/「レッド・ファミリー」/「わが星」/「淵の王」/「深夜百太郎(特に「横内さん」)」/「どちらでもいい」/「ホーリータウン」/「lilac」/「プリパラ」/「心中慰留」の手紙と返信
Q 制作の合間にしていた気分転換は何ですか?
まず睡眠を思いつきますが、これはとり過ぎでした。反省している。
さて、作画がはじめられるまで(寒くなるまで…)はシャボン玉にはまっていました。誕生日プレゼントに友だちからシャボン玉セットをもらったのがはじまりです。透き通ったやわらかいまるが風でふわふわと飛んではじけます。とてもきれいです。夜のシャボン玉は薄い輪郭だけになり、泡みたいで可憐だし、それに慣れると昼のシャボン玉はとても鮮やかでまぶしい。
作画をはじめてからは、ずっとPhotoshopと向かい合っているので、らくがきをたくさんしました。
(9月のはじめ、シャボン玉をもらってすぐ、みんなで遊んだときの写真。これ以降はソロシャボン玉でしたが、またみんなで遊ぶのも楽しそう)
Q 在学中にやり残したことはありますか?
制作に関して口惜しいところはありますが、それはこれから払拭するし、やり残したという感じではない…。なら、特にありま、…!!
就職先が決まっていないので!!!
うまい話があれば教えてください!!!!!!
Q アニメーション以外で、今後挑戦してみたいことはありますか?
やったことがあるけどもうやってないことを、またちゃんとやりたいです。ロシア語とか短歌とか楽器とか。
新しいことなら、壁のぼるやつがやりたいです。あの、壁に出っ張りがついててそれを手がかり足がかりにのぼるやつ。
(作業中のらくがきのひとつ。学部時代はちんどん屋サークルでサックスを吹いたりしていました)
Q 今あなたが一番“YELL(叫び)”したいことは何ですか?
Я тоже хочу!!!!!!
ありがとうございました!
山中澪さんの作品「物語たちへ」は、「第七期生修了作品 Aプログラム」にて上映いたします。「第七期生修了作品 Aプログラム」は、3月5日から3日間、横浜の馬車道校舎で上映となっています。また、3月12日から一週間、渋谷のユーロスペースでも上映予定です。お楽しみに!